なぜ擦り傷、切り傷、掻き傷などの傷が壊疽性膿皮症になってしまうのかは、まだよくわかっていません。また、ケガ、虫刺されや手術などによって壊疽性膿皮症になるのは全体の3割ほどと報告されています
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壊疽性膿皮症は、不明な点が多いですが、現在の研究では自己免疫の異常が関連しているという説が有力です。自己免疫が異常な状態とは、自身の免疫システムが自分自身の正常な組織を有害なものと認識して反応し攻撃してしまうことで、この異常によって起こる病気は自己免疫疾患といわれます。
壊疽性膿皮症の根底に潜む炎症には、サイトカイン(異常を知らせる信号として発せられる物質)などの炎症性物質が大きく関与しています。潰瘍性大腸炎やクローン病といった基礎疾患(持病)や、ケガなどがきっかけとなり自己免疫が働いて、炎症性物質が増加し、炎症が悪化・慢性化することがあります。

